米国のガスインフラ整備のペースの遅さは「惨事へのレシピ」：ウィリアムズCEO

石油と企業ニュース09/06/2023

ウィリアムズの社長兼最高経営責任者（CEO）のアラン・アームストロング氏は、再生可能発電の増加によりピークガス需要が増大する中、米国の新たな天然ガス送電・貯蔵能力の必要性が物理的資産の増強を上回っている可能性があると警告した。

アームストロング氏は、ニューヨーク市で開催されたロイター・グローバル・エネルギー・トランジション会議で、天然ガスインフラの構築が天然ガス需要の高まりに追いついていないと述べた。 ウィリアムズ氏によると、S&P Global Commodity Insightsのデータを引用し、輸出を含めた米国のガス需要は2010年から2022年にかけて56％増加したという。 一方、パイプライン会社による米国エネルギー情報局のデータ分析によると、米国のパイプライン容量は27％増加し、国内の貯蔵配送容量は12％増加した。

アームストロング氏は6月7日のイベントで、「私たちがどれだけこの古いインフラに依存しており、規制や環境反対のせいで拡張ができていないことを考えれば、これは大惨事への道だ」と語った。自分たち自身が危機に陥ることだ。」

環境団体やその他の批評家は、気候変動を緩和し、エネルギーインフラ周辺の局地的な影響を防ぐために、化石燃料への社会の依存を減らしたいと考えている。

再生可能エネルギーによりガス需要が増加アームストロング氏によると、2019年から2022年にかけて、ウィリアムズの北西パイプライン回廊と、湾岸ガスを中大西洋と北東部に輸送するトランスコンチネンタル・ガス・パイプライン・カンパニー・システムに沿った風力発電と太陽光発電の容量が85％増加したという。 同期間中、同社はノースウェスト・パイプラインとトランスコの1日あたりのピークガス需要がそれぞれ14％、9％増加したと同氏は述べた。

アームストロング氏は、「パイプライン事業やインフラ事業に携わっているときは、年間平均消費量がどれくらいであるかはあまり気にしない」と述べた。 「ピーク時にも供給できなければなりません。そのため、再生可能発電のバックアップを考えると、非常に柔軟な[システム]と、大量の追加容量が必要になります。」

アームストロング氏は、パイプラインの能力を増強すれば、ニューイングランドのようなガスに制約のある地域での需要のピーク時に燃料油のような重質炭化水素への依存を減らすというさらなる利点もあるだろうと述べた。

2022年冬を前に、エバーソース・エナジーの社長兼最高経営責任者（CEO）兼会長のジョー・ノーラン氏とISOニューイングランドの社長兼最高経営責任者（CEO）のゴードン・ヴァン・ウェリー氏はともにバイデン政権に対し、同地域のパイプライン能力不足がもたらす北東部の発電への脅威に対処するよう要請した。

オペレーターはストレージに価値を見出すアームストロング氏の警告は、天然ガス貯蔵施設の拡張に投資してきたパイプライン事業者の見解を反映したものだった。 これらの企業は、再生可能電力の普及を拡大するには、風力や太陽光資源が利用できないときに稼働するガス火力発電所に供給するために、より多くの燃料が必要になると予想している。

キンダー・モーガンは6月、テキサス州電気信頼性評議会の管轄内でガス火力発電機に供給する能力を提供する必要があるとして、テキサス州のマーカム・ガス貯蔵施設を拡張すると発表した。

スパイアはまた、ワイオミング州にあるスパイア・ストレージ・ウェストの貯蔵施設を拡張する1億9,500万ドルのプロジェクトを進める決定について、米国西部での再生可能電力普及の拡大を支援する必要性を挙げた。 最近ではスパイア氏は、厳しい冬の天候とヨーロッパからの国内供給の減少によって米国のガスシステムに需要が生じていると指摘した。

ウィリアムズ自身は、2022年12月に米国西部のガス送電・貯蔵資産をサウスウェスト・ガス・ホールディングスから15億ドルで購入することに同意した。 数か月前、テキサス州北部のガス貯蔵・送電事業者ノーテックス・ミッドストリーム・パートナーズを4億2,300万ドルの契約で買収した。出典: Platts